真空チャンバーと加圧ポットは、型取りなどで材料中の気泡を除去するための2種類の装置です。それでは、この2つの装置のうち、どちらがより優れているのでしょうか?以下に、真空チャンバーと加圧ポットの違いを詳しく解説します。
どちらもプロジェクトから気泡を除去するための装置ですが、一方は空気圧を利用し、もう一方は空気を排除します。実際には、気泡を取り除くのが真空チャンバーで、加圧ポットは気泡を目立たなくするだけです。
簡単に言うと:真空チャンバーは真空を利用して材料から空気を「出し」、加圧ポットは加圧によって材料中の気泡を「縮小」させます。
真空チャンバー = air out
加圧ポット = air in
真空チャンバーの仕組み
真空チャンバーはポンプでチャンバー内の空気を排出し、材料内部の空気も同時に引き出します。大量の空気を含んだシリコーンなどをチャンバーに入れ、ポンプを作動させると、ホースを通じて材料内部の小さな気泡も表面に浮上し、はじけて排出されます。
真空チャンバーの使い方
蓋にポンプを接続し、シリコーン材料をチャンバー内に置いて蓋を閉め、ポンプをオンにします。これによりチャンバー内が真空になり、気泡が引き出されます。
蓋の上部には2つのレバーとゲージがあります。ポンプを起動する前に、空気の流入を遮断するレバーを閉じます。モーターを起動するとゲージに真空状態が表示され、気泡が排出される様子を確認できます。終了後はレバーを開いて空気を戻します。
加圧ポットの仕組み
加圧ポットはコンプレッサーで内部に空気を加圧し、気泡を微小化してほぼ目に見えないレベルまで縮小させることで、ほぼ無気泡の鋳造物を得る装置です。
加圧ポットの使い方
コンプレッサーをポットに接続し、鋳造した作品を内部に置いて加圧した状態で硬化させます。これにより樹脂中の気泡が圧縮され、目立たなくなります。
加圧ポットと真空チャンバーの使い分け
真空チャンバーは柔軟なゴム製品の気泡除去に適しており、液体プラスチックの脱気にも最適です。一方、樹脂鋳造や型取りを行う場合は、加圧ポットが適しています。
また、真空を作るには時間がかかる場合があり、速硬化性の樹脂では加圧ポットのほうが素早く加圧できるため有利です。
まとめると、加圧ポットは硬化性材料の気泡除去に主に使用され、真空チャンバーはゴム製品と硬化性材料の両方に利用できますが、特にシリコーンやポリウレタンなどのゴム向けに最適です。