ポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオール(A剤)とイソシアネート(B剤)の2成分で構成された素材です。この鋳造用樹脂は扱いやすく、1:1の割合で混合後約15分で素早く成形できることから人気がありますが、ポリウレタン樹脂の大きな課題は気泡が発生しやすい点です。以下に、ポリウレタンの気泡に対する解決策をご紹介します。
気泡の発生原因:
1. 保管不適切:ポリウレタン樹脂は非常に湿気を吸収しやすいため、使用後はすぐに密封し、可能であれば窒素ガスで保管してください。
2. 異物混入:顔料を混ぜる際に含まれる水分や、離型剤の過剰塗布が原因となります。
3. A剤とB剤の混合時に空気が巻き込まれる。
解決策:
1. 真空ポンプと加圧タンク
まず、真空ポンプでA剤とB剤をそれぞれ脱気し、混合・攪拌後に加圧タンク内で60〜100psiの圧力下で硬化させます。透明なポリウレタンや大型鋳造物の気泡対策として最も完璧かつ効果的な方法です。
2. 真空ポンプなしの場合
樹脂のA剤またはB剤を計量する際は、計量カップの側面に沿ってゆっくり注ぎ、上から直接注がないようにしてください。これにより気泡の巻き込みを防げます。
冷たい樹脂は粘度が高く気泡が抜けにくいため、室温に戻してから作業することで最適な粘度を得て微細な気泡の発生を抑えられます。
シリコーンモールドにポリウレタン樹脂を注ぐ場合は、まずモールドをオーブンで予熱し、樹脂中の気泡を除去します。オーブンから取り出した後、数秒間放置してから樹脂を注いでください。